夏期講習、どうする?

子供にとっては楽しみな夏休みも、親にとっては面倒な毎日が始まります。
ふだんなら学校に行っている子供たちが毎日家にいる…。軽くめまいがしますね!
では、塾の夏期講習に入れてしまうのはどうでしょうか。

夏期講習だけでは定着しない

結論から言うと、
夏期講習だけ受講するのは×
夏期講習から受講するのは○

です。

夏休みに短期間塾に通わせただけでは学力は向上しません。
学力は継続によってこそ向上するのであり、短期間通って知識を得たとしても定着のための演習が伴わなければ無駄になってしまいます
夏休みの間の託児所代わりと割り切るなら別ですが、夏期講習だけ塾に入れても学習効果はさほどあがりません。

夏期講習から塾に通い始めるのはよい戦略です。
長い休みにこれまでの復習をしつつ、秋以降の学習で効果を定着させるというのが効果的な塾活用法と言えます。

受験の種別ごとに考えると、夏休みに受験勉強を始めるなら
中学受験⇒小4の夏休み
高校受験⇒中2の夏休み

をおすすめします。

ちなみに、大学受験なら、高2の夏休みがおすすめです。

もちろん目指す学校や現在の学力によって時期は異なりますが、塾のシステム(=カリキュラム)を上手に利用して受験の計画を立てるなら上記の時期がおすすめです。
この辺りは過去の記事に少し詳しく書いたので参考にしてください↓
塾にはいつから行けばよいか? 中受編
塾にはいつから行けばよいか? 高受編

ちなみにSAPIX小学部は、小4の夏期講習では募集していない校舎もありますのでご注意を。

王子校・大井町校・お茶の水校・吉祥寺校・国立校・自由が丘校・白金台校・白金高輪校・新越谷校・巣鴨校・中野校・練馬校・南浦和校・宮前平校・武蔵小杉校では、募集いたしません。

※ 豊洲校は定員に達しています。

SAPIX小学部 HPより

中学受験の場合は小4の夏から?

上記のように、小4の夏期講習から始める場合、大半の塾がオプション講座は設定しておらず、またカリキュラムも夏期講習からはじめられるように設定されています。
このブログで何度か言及しているのですが、夏期講習のカリキュラムが明示されていない塾は選ぶべきではありません
ホームページを見てもカリキュラムが載っていないどころか校舎に足を運んでもまともなカリキュラムが見られない塾もあります。そうした塾は、どのようなカリキュラムで生徒を合格させるのか、という塾としての最大の使命を軽視しているとしか思えませんので、わが子を通わせる塾として、選ぶべきではないでしょう。

ちなみに、受験学年(小6、中3)の夏から塾に通わせようとすると、オプション講座をたくさんすすめられることがあります。
よく内容を吟味する必要はありますが、それ以前は塾に通わないで、夏からほかのお子さんに追いつこうと考えるなら、ここが投資のしどころだと考えるべきです。
ただ、ただ受講しただけでは学力は上がりませんので、講座の取得と、それを定着するための時間をセットにして夏期講習の計画を立ててください。
目安としては、通塾時間と同じだけの時間が定着のために必要です。

小6の夏期講習の、5大塾の1日の通塾時間は下記の通りです。

夏期講習(小6)1日の授業時間数

四谷大塚     400分
早稲田アカデミー 380分
栄光ゼミナール  370分(授業時間の中に休憩時間が含まれるかは不明です)
SAPIX小学部   360分
日能研      350分

1日6時間以上ですから、定着のためにかかる時間を考えると、1日12時間から13時間は学習時間にあてる必要があります。
受験生ならこれくらい学習するべきなのですが、相当に困難なのは言うまでもありません。
8時間勤務ならひと月の残業時間が150時間を越えます。完全に労働基準法違反ですね。

受験学年の夏期講習から通塾するなら、小学生は当然、中学生でも学習計画をお子さんと一緒に立ててあげてください。

塾選びサイトの使い方

ちなみに、塾選びサイトの使い方についても少し言及しておきます。

塾選びサイトの使い方

• ランキングは参考にしない。
• 口コミは気にしない。
• 自宅周辺にある塾の検索に利用する。

この三つですね。
ランキングは、まあそのサイトに払っている金額次第です。広告宣伝にお金をかけている=よい塾、というわけではないのはお分かりだと思います。

口コミに関しては、多くのサイトの口コミが古いものから新しいものまで混ざっています。口コミを見て悩んでいる時間がもったいないので、実際にその塾に足を運んでください。その時間がもったいなければ電話するだけでもいいです。話を聞けばだいたいその塾がまともな塾かどうかはわかると思います。

3点目で書いたように、塾ナビサイトは「うちのそばにはどんな塾があるのかな」という参考にする程度にして、実際に足を運ぶか電話などで話を聞くことで判断するように努めてください

では、よい夏休みを!

【次回更新日】2021年7月9日(金)