子供の質問に答えるだけで3つの力が身につく

ことばの意味を聞かれたときの答え方次第で、子供の国語力は向上します。
大人にとってはボケ防止にもつながりますので、ぜひ実践してみてください。

子供の質問に答えるとどんな力がつくか

「「かっぱえびせん」はなぜ「かっぱ」と名前がついているのか?」
これはわたしが小学生の子供から聞かれた質問ですが、正直言って答えるのが面倒です。

「 どうしてかな~? わからないなー」
「今忙しいから後でね」
「知るか!」
と言いたくなるのをぐっとこらえて、その場で返答するよう心がけましょう

子供の質問に大人がその場で返答することで培われる力は
質問する力
推理する力
説明する力
の3点です。
これは子供だけではなく、返答している大人も同様の力が身につきます。

「 どうしてかな~? わからないなー」
 ⇒わからなくても、推測で返答しましょう。
「今忙しいから後でね」
 ⇒「後で」という大人の約束が守られることはほとんどありません。
「知るか!」
 ⇒子供は二度と質問しなくなります。大人は思考停止に陥ります。

とにかく、子供の質問には、
その場で
即座に
必ず
返答しましょう。

では、次から返答の方法をお伝えします。

とりあえず言葉を置き換える

「「もくひょう」ってなに」など、熟語の質問を受けることはよくあることです。
このときの返答で、もっとも簡単な方法は、とりあえず訓読みのことばに直す。です。
「「めあて」のことだよ」と「目標」を「めあて」と言い換えます。
「比較」なら「くらべること」、「可能性」なら「できるかもしれないこと」など、熟語のうちの一文字を訓読みに置き換えると説明しやすくなります。
また、一般的になっている別のことばに置き換える方法もあります。
「食堂」⇒「レストラン」、「暖炉」⇒ 「レンガでできたストーブ」 など。
次に、擬態語や擬声語で言い換えるのもわかりやすいでしょう。
「混乱」⇒「頭がごちゃごちゃになること」、

先ほどの「目標って?」「「めあて」のことだよ」の場合は大体、「めあてって?」と追加質問が発せられます。「めあて」をさらに別のことばに置き換えてもいいのですが、堂々巡りになりそうなので、
「今日はお部屋をきれいにするぞ! ってこの先どうしたいか決めることだよ」などと具体例を用いて説明するとよいでしょう。

子供の「質問返し」はかなり厄介なので、正直言って暇なとき以外は付き合ってられません。
先ほどの質問が幼稚園に行く前、仕事に行く前に言われたら、まあイラっときますよね。
ということで、1回は子供の質問に返答する。ということでもよいでしょう。

「答えだけがあり、問いのない社会」

聞かれたときにいきなりスマホを取り出したりアレクサに聞いたりするのはやめてください。
現代社会は「答えだけがあり、問いのない社会」と言われています。(すいません、出典を忘れました)
「答え」なら検索すればわかる時代ですから、子供の質問への返答は、検索では培えない力を養うためにするのだと考えましょう。
冒頭の質問「かっぱえびせんはなぜ「かっぱ」というのか?」という質問に対して、わたしは次のように返答してみました。
「「買ってぱっと」食べられるから、「かっぱ」えびせん」なのではないか」
もちろん適当な返答です。ただ、子供は面白がって、自分なりの推測を披露します。(「エサにするとカッパも釣れるくらいおいしい!」)
ここで培われるのが、「推測する力」「説明する力」です。
先日も上の子供が下の子供に質問されて、即座に返答していました。
下の子「『ししょう』ってどういう意味?」
上の子「教える人のことだよ」

親が子供の質問受けに面倒がらずに答えていると、子供もほかの子供から質問されたときに同じことができるようになります。こうして確実に説明する力が身についていきます。

学力の向上が早い生徒は質問力があります。
学力の定着が確実な生徒は説明する力が身についています。

調べて答える

推測で適当なことを答える、という返答の瞬発力は大切ですが、適当なことばかり言っていると、親に質問をしても正解が得られない。と思ってしまうかもしれません。
そこで、適当な質問をしたときには、その質問をメモしておいて、後で調べておくとよいでしょう。
先述した「かっぱえびせん」については、次の日に検索して調べた答えを伝えました。

昨年の大河ドラマ「麒麟がくる」の最終回を見たときには、「明智光秀はなぜ織田信長を討つことになったのか」と話題になったので、学習漫画を何冊か借りてきて比較してみました。各出版社で、説が異なっていたので面白かったです。

今日からできる知育

質問への返答で子供の身につく力は以下の三つです。
• 質問する力
• 推理する力
• 説明する力


返答のコツは以下の三つです。
• 置き換える
• 擬声語擬態語を交えて説明する
• 具体例を用いて説明する

返答のときに心がけるのは以下の三つです。
• 調べないで即答する
• 調べる前に推測する
• 調べるなら一緒に調べる

今日、すぐにでもできる知育だと思いますので、試してみてください。
これを続けていると大人の脳トレにもつながります。ボケ防止にも役立つと思うのですがどうでしょう。