オンライン授業をどう活用するか
学習塾でも感染クラスターが起きています。いまやどの塾も取り入れているオンライン授業はどのように活用すればよいでしょうか。
オンライン授業にはどんなものがある?
ひとくちに「オンライン授業」といっても、動画配信とオンライン会議(Zoomを使ったものが大半)では大きな違いがあります。
双方に共通するのは、とにかく大きい画面を使った方がよい。ということ。スマホでの受講は板書が見づらいのでおすすめしません。デジタル黒板を使用する授業の場合は多少見やすくはなりますが、小さい画面に長時間向き合うのは子供の健康面からもあまりよくありません。
動画配信の場合は自分の姿が相手に見えないため、どんな格好でも授業を受けることができますが、Zoomを使用した授業の場合は、発信ができるというメリットがありますが自分の姿も相手に見えるので格好に気を配る必要があります。(Zoomで保護者会を開くとほとんどのお母さんは画面はオフのままですね…)
授業を受ける環境
授業を受けるとき、双方向の場合はある程度身だしなみに気をつかう必要がありますが、授業に使う機器は何がよいでしょうか。
Zoomの場合は一択でパソコンでの受講をおすすめします。
Zoomは通常授業に近い双方向の通信を可能にしますが、パソコンでなければ使いづらい機能がいくつかあります。パソコンの場合は授業を大きい画面にしつつ、ほかの生徒の様子なども見ることができます。また、先生と直接チャットをする場合もキーボードがあるので利便性が高いです。
Zoomは通信に負担がかかるのでできればWi-Fiではなく、有線での受講をおすすめします。
この面でもタブレットやスマホでは対応がしづらいですね。
どこでも受講できるのがオンライン授業のいいところです。たとえば感染症対策で首都圏を脱出しても授業を受けることができ、外出先でも授業を受けることができます。
ただ、どこでも授業が受けられるだけに、誘惑がまわりにあふれている環境でも授業を受けることができてしまいます。パソコンで授業を受けていたら、そのパソコンで他のアプリを開くことも可能です。
ご自宅で受講する場合も、親の目が行き届かない自分の部屋などは避けて受講をさせましょう。ただし、Zoomはかなりはっきりと周囲の音を拾うので、静かな環境のほうが望ましいです。
テキストの答えは最初に預かっておく
自宅受講の場合、テキストは前渡しになります。送料を削減するために解答も同時に発送されている場合が多いので、テキストの答えは最初に預かっておきましょう。
オンライン授業では手元が写りませんので(書画カメラなども導入しているなら別ですが)カンニングはし放題です。まじめな子でもそばに(テキストの後ろとか)答えがあったらそれを見る誘惑にはなかなかあらがえないものです。
余計な誘惑はあらかじめ取り除いておきましょう。最初から答えがなければ見たいという気持ちも起こりません。
ちなみにカンニングはよくないことですが、良い点をとりたいからそうするのであって、その気持ち自体は悪くありません。ずるはよくないことですが、カンニングができてしまう環境がいけないのだと思って、環境を整えてあげましょう。
対面授業を継続するかオンライン授業にするか、選択できる塾もあります。
感染症にかかってからでは遅いので、保護者の目から見て通塾することが危険を伴うならオンライン授業に切りかえるのもよいと思います。
ただ、オンライン授業は現段階ではやはり対面の授業に劣る部分もあります。
オンライン授業のメリット・デメリット
これまで述べたようにオンライン授業のメリットは様々あります。。
オンライン授業のメリット
・感染症リスクがない。
・移動時間がない。
・交通費や食事代がかからない。
・場所を選ばない。
一方でオンライン授業にはまだ対面の授業に劣る面もあります。
オンライン授業のデメリット
・先生からの「圧」が弱い。
・クラスメイトと競い合う空気が薄い。
・集中が続かない。
・
先生からの「圧」が弱い
授業では、やる気がない生徒は当然叱責されます。目の前に先生がいたら当然子供の背筋も伸びますが、これが画面越しだと緊張感も薄れます。やらなきゃいけないとはわかっていても、なかなか気持ちが高まらないものです。
クラスメイトと競い合う空気が薄い
同じ空間にクラスメイトがいる教室での授業では「あの子には負けないぞ」「わたしもがんばろう」と思えますが、ネット上の教室ではクラスメイトの雰囲気がどうしても伝わりにくいです。
授業のときの発言にしてもほかの生徒の発言に口をはさんだりすることがオンラインでは難しいと言えます。
クラスメイト同士の交流がなかなか難しいのがオンライン授業のデメリットと言えるでしょう。
集中が続かない
大人でもパソコンとずっと向き合っていると疲れるものです。オンライン授業ではパソコンを数時間注視している必要があるので、慣れるまではどうしても疲れてしまいます。
対面での授業では先生が自分の机のそばまで来て解いている過程を確認してくれますが、オンライン授業ではそういうことはありません。解いているふりだけしていてもほとんどばれることはありません。だらけていても
宿題をやらない
宿題を提出しなければ学習効果があがらないのはとうぜんです。対面の授業であれば宿題を出さなければ先生に叱られますし、恥ずかしい思いをします。
しかしオンライン授業では宿題を提出するシステムが整っていない場合が多いため、やらなくても済んでしまうこともあります。
オンライン授業に向いているかどうか
メリットもあるが、デメリットもまだまだ大きいのがオンライン授業です。
オンライン授業を効果的に活用できるのはやはり自己管理がしっかりできる生徒がほとんどです。
とはいえ、対面の授業でも自己管理ができる生徒が効果を最大限に活用できるのは当然のことです。
感染症対策でオンライン授業を受けさせるときにはそのメリットとデメリットを把握したうえで、デメリットを少しでも軽減できる環境を整えることが大切です。
オンライン授業を受けさせる場合は環境を整えることで効果を高めることができますので、受講環境が整っているかどうかを保護者がときどき確認してあげましょう。
【 次回更新日 】2021年9月10日(金)