都立の高校と中高一貫校の大学進学実績を比べてみた ②
「首都圏に住んでいるなら地方の国公立大学に進学するより早慶に進学するほうが価値がある」というブログの記事を見て、まあ一理あるなと思いましたので、早慶大への進学率を比較してみます。
地方の国公立大学より早慶大?
「地方の国公立大学より早慶大のほうが進学する価値がある」(?)。
なかなか比較が難しいですが、保護者が首都圏に住んでいてそのまま首都圏で生活を続けるつもりなら、コストの面でも就職の面でも一理あります。
国公立大学の進学率だけで高校の優劣は決められることができないのは言うまでもないので、今回は都立高校と都立の中高一貫校の早慶大現役進学率を比較してみます。
ちなみに以前の記事「都立の高校と中高一貫校の大学進学実績を比べてみた ①」はこちらです。
わたしが以前国公立大の現役合格率を俎上にあげたのは、国公立大は(ふつうは)在校生ひとりにつき1校の実績しか出ないため、その高校の実力がはっきり出やすいからです。
早慶大の場合は、一人が双方の大学を受験することも可能ですので、優秀な生徒一人でいくつか数を「稼ぐ」ことができます。進学校にとって合格実績は衰勢を左右しかねないので、学力の高い生徒には難関大をいくつも受験してもらいたいのが本音です。
まずは都立の進学指導重点校7校から見ていきます。
都立高校の早慶大学現役合格率
都立高校の早慶大 現役合格率(令和3年卒)
学校名 慶應大―早稲田大ー合計合格者数 卒業生数 割合 (小数点以下四捨五入) の順
日比谷 110名 ー 161名 ー 271名 316名 86%
戸山 18名 ー 63名 ー 81名 316名 26%
西 44名 ー 58名 ー 102名 316名 32%
八王子東 21名 ー 40名 ー 61名 315名 19%
青山 21名 ー 32名 ー 53名 313名 17%
立川 17名 ー 42名 ー 59名 308名 19%
国立 39名 ー 76名 ー 115名 317名 36%(卒業生数がわからなかったので募集人数で割りました)
予想通り日比谷がダントツですね。ダブルカウントがあるだろうとはいえ、日比谷高のレベルが相当に高いことがわかります。
もう一つは「日比谷、西」と双璧とされていた時代から、「日比谷ダントツ、西と国立が追随」という時代に移りつつあるように思います。
西高はとがった校風の高校ですので、大学進学だけを追い求めることには価値を感じていないのでしょうね。
続いて都立の中高一貫校の早慶大現役合格率を見ていきましょう。
都立中等教育学校の早慶大学現役合格率
都立の中高一貫校のうち、まずは中等教育学校をみていきます。
都立の中等教育学校は、小石川、桜修館、立川国際、南多摩、三鷹の5校です。
都立中等教育学校の早慶大現役合格率(令和3年卒)
学校名 慶應大―早稲田大ー合計合格者数 卒業生数 割合 (小数点以下四捨五入) の順
小石川 59名 ― 96名 ― 155名 155名 100% (!)
桜修館 34名 ― 57名 ― 91名 151名 60%
立川国際 12名 ― 32名 ― 44名 149名 30%
南多摩 10名 ― 15名 ― 25名 139名 18%
三鷹 17名 ― 39名 ― 56名 150名 37%
国公立大の現役合格率に続いて小石川が二冠達成です!
小石川に行ったらまあ早慶以上は当たり前なんでしょうね。もちろん中学高校とまじめに勉強しているのでしょう。
都立中高併設校の早慶大現役合格率
都立の中学校、高校併設型校は、白鷗、両国、武蔵、富士、大泉の5校です。
都立中高併設校の早慶大現役合格率(令和3年卒)
学校名 慶應大―早稲田大ー合計合格者数 卒業生数 割合 (小数点以下四捨五入) の順
白鷗 19名 ― 40名 ― 59名 227名 26%
両国 12名 ― 22名 ― 34名 185名 18%
武蔵 28名 ― 61名 ― 89名 194名 46%
富士 8名 ― 29名 ― 37名 191名 19%
大泉 14名 ― 47名 ― 61名 194名 31%
中等教育学校に比べると、まだまだ発展途上の段階ですね。今後中学からの生徒だけになると、この数字が上がるのかどうか興味深いですね。
それでは、都立高進学指導重点校vs中高一貫校、並べてみましょう!
都立高と都立中高一貫の早慶大合格率比較
学校名 慶應大―早稲田大ー合計合格者数 卒業生数 割合 (小数点以下四捨五入) の順
小石川 59名 ― 96名 ― 155名 155名 100%
日比谷 110名 ― 161名 ― 271名 316名 86%
桜修館 34名 ― 57名 ― 91名 151名 60%
武蔵 28名 ― 61名 ― 89名 194名 46%
三鷹 17名 ― 39名 ― 56名 150名 37%
国立 39名 ― 76名 ― 115名 317名 36%
西 44名 ― 58名 ― 102名 316名 32%
大泉 14名 ― 47名 ― 61名 194名 31%
立川国際 12名 ― 32名 ― 44名 149名 30%
戸山 18名 ― 63名 ― 81名 316名 26%
白鷗 19名 ― 40名 ― 59名 227名 26%
八王子東 21名 ― 40名 ― 61名 315名 19%
富士 8名 ― 29名 ― 37名 191名 19%
立川 17名 ― 42名 ― 59名 308名 19%
南多摩 10名 ― 15名 ― 25名 139名 18%
両国 12名 ― 22名 ― 34名 185名 18%
青山 21名 ― 32名 ― 53名 313名 17%
オレンジが都立高、緑が中等教育学校、青が中高併設型です。早慶大まで含めると都立の中高一貫が上に食い込んできますね。
比較として国公立大の現役合格率を再アップしておきます↓
学校名 国公立大学合格者数 卒業生数 割合 (小数点以下四捨五入) の順 です。
小石川 92名 155名 59%
日比谷
172名 316名 56%
立川国際 71名 149名 48%
国立 151名 317名 48%(卒業生数がわからなかったので募集人数で割りました)
戸山 142名 316名 45%
武蔵 82名 194名 42%
三鷹 62名 150名 41%
南多摩 53名 139名 38%
西 116名 316名 37%
八王子東 112名 315名 36%
桜修館 53名 151名 35%
立川 108名 308名 35%
大泉 62名 194名 32%
両国 59名 185名 32%
青山 95名 313名 30%
白鷗 63名 227名 28%
富士 39名 191名 20%
風邪気味なので今回はここまで、GMARCHや浪人生の動向も気になりますので、また比較してみようと思います。
【 次回更新日 】2021年10月8日(金)⇒ 風邪が治らないので更新日を10月15日(金)に変更します😷